忘れられた今昔物語BACK TO THE FUTURE

文化2017/07/19

神も悪魔も居つく場所-古今東西トイレよもやま話

トイレ、それは私たちにとってなくてはならない必要不可欠なもの。

 

いわゆる「用を足す」という本来の目的の他に、集中して物事を考えるのに最適な場所だったり、学校やオフィスでの社交の場になったりと、人によってさまざまに利用されています。

 

ところでこのトイレですが、その歴史がいつから始まったのか、そして現在のトイレ事情がどうなっているかをご存知でしょうか。

 

今回は知っているようで知らないトイレの歴史や逸話など、トイレにまつわる「よもやま話(世間話)」をご紹介したいと思います。

 

 

 

紀元前にはもう水洗トイレがあった!

世界最古のトイレが発見されたのは、現在のイラクのあたりで発展したシュメール文明時代の宮殿の遺跡。紀元前2200年頃(今から約4200年前!)のものだといわれています。

 

しかもそのトイレは煉瓦を椅子の形に組んだ水洗式。便器は地下の下水管に通じていて、廃水は宮殿の壁に沿ってつくられた管に流れ込む仕組みになっているそうです。

 

なお、この宮殿で見つかったのは「個人用トイレ」。世界最古の「公衆トイレ」は、今から約2000年前の古代ローマ時代のものといわれています。

 

今ではなかなか考えづらいことですが、当時のトイレには仕切りがなく、隣の人と世間話などをしながら用を足していたとか。古代ローマの人たちにとってトイレは、プライバシーを守るよりもコミュニケーションを図る場だったようです。

 

なお、最近ではシュメール文明時代よりも遥かに古く、約6000年前にはトイレらしきものが存在したという説も。人の営みとトイレの歴史が密接にかかわっているのがわかりますね。

 

 

あのダ・ヴィンチもトイレの設計をしていた!?

世界にはあちこちに「トイレ博物館」なるミュージアムが存在します。やはり洋の東西を問わず、トイレというのは人々の興味と関心を惹きつけずにはいられないようです。

 

東ヨーロッパの国ウクライナにあるトイレ歴史博物館には、イタリアのルネサンス期を代表する芸術家にして万能の天才、あのレオナルド・ダ・ヴィンチが設計したとされるトイレ図が展示されています。

 

かの天才すらトイレについて考えずにはいられなかった事情、それは中世の頃から続くヨーロッパの劣悪な衛生環境によるものでした。

 

中世から近世にかけての数百年間、ヨーロッパの町並みには人や動物の糞尿があふれ、腐った食品のくずが散乱し、セーヌ川には屠殺された牛や豚の臓物や血が途切れることなく流れ込むといった有り様でした。

 

街は悪臭に満ち、ひとたび疫病が発生すると、あっという間に数千数万の人々の命を奪ったのです。

 

ダ・ヴィンチは自らトイレを設計することで、こうした環境を改善したいと考えたのかもしれません。

 

 

トイレには神様も悪魔もいる

少し前に流行した歌にもあるように、古くからトイレには神様がいると言われています。

 

日本には「八百万(やおよろず)の神」という言葉があるように、万物に神が宿るという観念があり、トイレに限らず台所にも樹木にもお米にもそれぞれ神様がついていると考えられてきました。

 

日本人はその神様を大切にし、トイレをキレイにするといいことがある、とご利益を信じてきたのです。

 

同じように、トイレには怖い幽霊が出るという話も必ずついてまわります。

 

人は暗闇や閉ざされた場所に警戒心を抱くもの。個室、それも居間や教室など人がいるところから少し離れた場所にあるトイレは、恐怖心が作用するのにうってつけの場所といえます。それゆえ、さまざまな怪談話の舞台にされてしまうのでしょう。

 

ちなみに海外では、ベルフェゴールという便器に座った悪魔が有名です。

 

このベルフェゴール、元々はモアブという現在のヨルダン近辺の地で崇められていた土着神でした。それがユダヤ教・キリスト教といった一神教の浸透とともに、悪魔とされていったのです。

 

ベルフェゴールがトイレのイメージと結びつくきっかけとなったのが、19世紀に活躍したフランスの文筆家コラン・ド・プランシーの著書『地獄の辞典』に収録された挿絵。

 

牛の尾にねじれた二本の角、あごにヒゲをたくわえた醜悪な容姿で、洋式便器に座った姿で描かれています(便器の横に立てかけられているのは蓋)。この絵によってベルフェゴール=トイレに座った悪魔、というイメージが定着したようです。

 

フランスでは「ルーブル美術館を夜中に歩き回る怪物」という都市伝説のキャラクターとして人気があるとか。たびたび小説化や映画化され、人気を博しているようです。

 

 

キレイに使おう、みんなのトイレ

人が生活する上で欠かせないトイレ。

 

改めて歴史や逸話に目を向けてみると、身近なものなのに意外にも知らないことが多いと気づかされます。

 

日本はトイレ先進国。世界的にみても非常にトイレの清潔さや機能性が際立っています。

 

それは、古くから排泄物を肥料に利用するなど有効活用していたのと、トイレにいる神様を敬って清潔に使おうと心がける気持ちによって培われた文化の証。

 

世界に類を見ない日本のトイレカルチャー。2020年に開催される東京オリンピックではたくさんの外国人が訪日し、日本のトイレのすばらしさを目の当たりにすることになります。

 

だからこそ、これからも世界の見本となれるよう、キレイに使っていきたいですね。

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