フランス、パリに降る春の雪

フランスの首都、パリ。
「恋人たちの街」とも呼ばれるこの都市に、ロマンチックなイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか。
そんなパリでは、季節外れな春の雪が降ることがあります。
しかもその色は赤。赤い雪なのです。
真っ赤というわけではなく、正確にはピンク寄りの色合いです。
ピンクの雪だなんて、ロマンチックなパリにぴったりですね。
しかし、大抵の雪は白いもの。
なぜパリでは赤い雪が降るのでしょうか?
赤い雪の原因はサハラ砂漠にあった!

フランス、パリに降る赤い雪の原因は、遠く離れたサハラ砂漠にあります。
砂漠というと全く雨が降らない印象ですが、赤道の周辺、北緯30度と南緯30度までは上昇気流があり、しばしば雨が降ります。
サハラ砂漠は北緯30度に位置するので、砂漠でありながら雨が降るのです。
それに加えてサハラ砂漠は朝と夜の気温差が大きいことで有名です。
寒暖の差が激しく、雨のある土地の土は風化しやすい傾向にあります。
風化した土の中では、植物に必要なカルシウム・マグネシウウムがなくなり、逆に鉄やマグネシウムが残ります。
こうして土の中にある鉄やマグネシウムが、サハラ砂漠の土を赤くしてしまうのです。
春の季節風に乗って旅する砂

ヨーロッパでは、春先に強い季節風が吹きます。
この風はサハラ砂漠のあるアフリカ大陸から吹くもので、サハラ砂漠の赤い土はこの季節風に乗ってヨーロッパに飛んでくるのです。
赤い土は直径が約50ミクロンという非常に小さなものなので、ヨーロッパ上空の冷たさによってその土を核とした氷の結晶ができあがり、それが地上に降ることで赤い雪になるのだとか。
ですので、パリ以外のヨーロッパの都市でもしばしばこうした赤い雪を見ることができます。
春に雪?と思うかもしれませんが、フランスのパリでは3月でも平均気温が8℃と日本の冬並みの寒さ。
雪が降るのも不思議ではありません。
ちなみに、世界では緑の雪や青い雪が降る地域もあるそう。
人生で一度は白以外の雪を見てみたいですね!