皆さんご存知、小便小僧

小便小僧といえば、小便代わりに水を出す有名な像。
世界各地にレプリカが設置され、小便小僧にちなんだグッズも多数販売されています。
ちなみに、本家はベルギーのブリュッセルにある像です。
ブリュッセルには、小便小僧ならぬ「小便少女」の銅像まであるそうです。
日本にも多くの小便小僧が設置されていますが、特に知られているのは東京・JR浜松町駅の構内に置かれているもの。
1950年代からすでにあったというJR浜松町駅の小便小僧。
一体誰が、なんのために設置したのでしょうか?
小便小僧の始まりは1952年

(JR浜松町駅の小便小僧)
1952年、JR(当時の国鉄)は鉄道開通80周年を迎えます。
それを記念して当時の浜松町駅の駅長・椎野栄三郎氏が、なにか記念として駅に飾れるものはないか探していました。
椎野氏は友人であり歯科医だった小林光氏に相談します。
すると小林氏が、彼の息子の誕生記念につくられて診療所の庭に置かれている小便小僧の像を飾ったらどうかと提案してきました。
椎野氏は早速その小便小僧をJR浜松町駅に設置。
当時の像は陶器製だったのだとか。
1955年にプラットホームの改修工事が行われると、それに合わせて小便小僧も進化。
陶器製からブロンズ製へと生まれ変わりました。
今も現役 駅のアイドル

現在JR浜松町駅の小便小僧は、季節に合わせてさまざまな衣類を着ています。
これらはほとんどボランティアで寄付されたものなのだとか。
いかに小便小僧が皆に愛されているか分かりますね。
もし1952年に、小林光氏の庭にあった像が小便小僧じゃなかったら…。
もし椎野氏と小林氏が知り合いじゃなかったら…。
今JR浜松町駅には、まったく違う像があったかもしれません。
偶然に偶然が重なった、奇跡のようなお話ですね。