使い分けに悩む日本語の表現No.1?

私たちの身近な存在である「たまご」。
たまごには、「卵」と「玉子」の2つの漢字があります。
どういう場合にどちらの漢字を使うか、皆さんご存知ですか?
実はこの2つ、日本人が最も使い分けに迷う日本語の表現なのだとか。
そこで今回は、「たまご」の漢字にまつわる雑学をご紹介します。
「玉子」が生まれたのは室町時代!

「たまご」という日本語が生まれたのは室町時代。
それまでたまごは殻に入っていることから、「殻の子=かひのこ」と呼ばれていました。
室町時代に、丸い形が玉のようだとして「玉の子」と呼びだし、それが「玉子」として定着しました。
なので「卵」よりも「玉子」の方が、日本語の歴史としては古いのです。
「卵」の方が使える幅が広い

歴史が古いのは「玉子」ですが、漢字として使える幅が広いのは「卵」です。
「玉子」は基本的に、調理できる人間の食べ物のみに使われます。
対して、「卵」は生物学的にも、そして比喩的にも使用可能です。
例えば、「カエルの玉子」という使い方はできませんが、「カエルの卵」ならば大丈夫。
「医者の卵」も、「医者の玉子」としては書きません。
「玉子焼き」や「玉子うどん」はOK。「卵焼き」、「卵うどん」でも使えます。
幅広く使えて間違いのない「卵」の方が便利なため、日常生活でよく使われています。
皆さんが日頃見かけるのも「卵」の漢字が多いのではないでしょうか。
同じ物を指すのに使い方が分かれるのは、繊細な日本語の表現ならではと言えますね。